こんにちは。パッチSmileです。
- 酸素療法で投与方法の違いって何?
- 投与方法による酸素濃度の違いは?
- 酸素療法中に注意することって何?

そんな疑問を解決します!
この記事を読む利点!
1.酸素療法の投与方法の種類を知ることができます。
2.種類別の酸素濃度の違いを理解することができます。
3.酸素療法中に注意することが理解でき臨床で活かせるようになります。
本記事の内容!
- 酸素療法における投与方法の種類!
- 酸素投与の方法による種類別酸素濃度の違い!
- 酸素投与中に注意すべきCO2ナルコーシスの看護!
この記事を書いているパッチ。
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それではパッチが解説していきますね!
酸素療法における投与方法の種類!

酸素投与の方法は鼻カニューレ・酸素マスク・リザーバー付き酸素マスクなどがありますよね。
ベンチュリーマスクなどもありますが、ここでは良く使われる鼻カニューレ・酸素マスク・リザーバー付き酸素マスクの3点に絞って利点と欠点を説明していきますね。

リザーバー付き酸素マスクは、高濃度酸素マスクとも言われています。
鼻カニューレ!
鼻カニューレは低濃度用の酸素療法となります。

6L/分未満を推薦されていますが、正直5L/分、鼻から投与されると鼻が痛いんですよね。
鼻からの酸素投与の場合は、4L/分以下にすると患者さんが苦痛を伴わずに酸素投与ができるかと思います。
鼻カニューレの利点は、投与中でも会話や食事が可能で、不快感が比較的少ないことですね。
- 鼻閉や口呼吸の患者さんだと、酸素が十分に取り込めない状況となってしまいます。
- 粘膜損傷を生じる可能性があります。
鼻カニューレは、比較的不快感が少なく手軽に酸素投与ができる方法となります。
酸素マスク!
酸素マスクは5L/分以上流さないと、患者さんの吐いた二酸化炭素が酸素マスク内に貯まってしまいます。

なので5L/分以上、酸素を流すことが推薦されています。
酸素マスクの利点は、容易に酸素投与ができて鼻閉や口呼吸の患者さんでも有効となります。
- 圧迫感があるので、患者さんによっては少し不快感が生じることがあります。
- 流量が少ないと、酸素マスクに二酸化炭素が貯留してしまいます。
- 酸素マスクや固定部位の圧迫による皮膚障害に注意が必要です。
酸素マスクは容易に酸素を投与することができますが、酸素流量を4L/以下に下げる場合は鼻カニューレにすることをおススメします。
リザーバー付き酸素マスク!
リザーバー付き酸素マスクは高濃度で、取り扱いに注意が必要です。

酸素を低流量で流すとリザーバーに二酸化炭素が貯まりますので、十分に酸素が取り込めなくなってしまいます。
酸素流量は6L/分以上を流すことが推薦されています。
リザーバー付き酸素マスクの利点は、酸素をリザーバーに貯めることができるため、高濃度の酸素投与が可能となります。
- 酸素流量が少ないと、リザーバーに二酸化炭素が貯留してしまい、酸素を十分に投与できなくなってしまいます。
- リザーバーのバッグがしっかり膨らんでいないと高濃度になりませんので注意が必要です。
- リザーバー付き酸素マスクも、マスクや固定の圧迫による皮膚障害に注意が必要です。
リザーバー付き酸素マスクは、流量を5L以下に下げる場合、酸素マスクや鼻カニューレに変更することをおススメします。
酸素投与の方法による種類別酸素濃度の違い!

鼻カニューレにおける流量別酸素濃度!
酸素流量と酸素濃度!
- 1L/分:約24%
- 2L/分:約28%
- 3L/分:約32%
- 4L/分:約36%
- 5L/分:約40%
酸素マスクにおける流量別酸素濃度!
酸素流量と酸素濃度!
- 5~6L/分:約40%
- 6~7L/分:約50%
- 7~8L/分:約60%
リザーバー付き酸素マスクにおける流量別酸素濃度!
酸素流量と酸素濃度!
- 6L/分:約60%
- 7L/分:約70%
- 8L/分:約80%
- 9L/分:約90%
- 10L/分:90%以上
酸素投与中に注意すべきCO2ナルコーシスの看護!

酸素投与を開始する患者さん、もしくは酸素投与中の患者さん。
どちらにしてもCO2ナルコーシスには注意が必要です。
呼吸の自動調節機構に異常が生じ、肺胞の換気が不十分となった場合に二酸化炭素が体内に蓄積され、意識障害などの中枢神経症状が現れる病態をCO2ナルコーシスといいます。
CO2ナルコーシスでは、血液ガスの検査をするとCO2が上昇しています。
酸素を開始する場合、患者さんの既往歴には注意が必要となります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)!
- 肺結核後遺症などの呼吸器疾患!
特に注意が必要となります。
その他にも中枢神経障害(脳血管障害、脳炎など)や神経筋疾患(筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症など)に注意する必要があります。
COPDの患者さんに、高濃度の酸素を投与するとCO2ナルコーシスになってしまうことが臨床で多く認められますので、特に注意が必要となります。

COPDの急性増悪時の酸素療法の場合、医師からSpO2は88~92%くらいでいいからね、などと指示が出るかと思います。
COPDの患者さんは、鼻カニューレで酸素を微量投与して調整する場合が多いので、高濃度酸素投与には注意が必要です。

もちろん、医師の指示のもと、流量調整と定期的な血液ガス分析、CO2が貯まってきていないか確認する必要があります。
酸素投与している患者さんに意識障害がみられたら、CO2ナルコーシスの可能性もありますので、医師への報告や血液ガス分析、NPPV(非侵襲的陽圧換気)、もしくは気管挿管、人工呼吸器での管理などが必要となります。
CO2が貯まってしまったら、呼吸を管理して二酸化炭素を吐かせてあげる必要があります。
気管挿管の介助についてはこちらから。
酸素療法の看護のまとめ!

- 鼻カニューレ!
酸素流量の目安は4L/分まで。
5L/分でも可能ですが鼻が痛い。 - 酸素マスク!
酸素流量の目安は5~8L/分。
4L以下では二酸化炭素が貯まる可能性がある。 - リザーバー付き酸素マスク!
酸素流量は6L/分以上で使用。
5L/分以下では二酸化炭素が貯まる可能性がある。

高濃度の酸素投与は血中の酸素が上昇し、呼吸が抑制され、CO2が吐き出せなくなってしまいます。

CO2ナルコーシスとなってしまう可能性がありますので、医師の指示のもと流量を調整する必要があります。
最後に!
ここでは、酸素療法における看護として、酸素投与方法の種類、種類別酸素濃度、注意すべきCO2ナルコーシスについてまとめてみました。
少しでもお力になれれば幸いです。
パッチSmile!
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