【頭部外傷の看護】観察すべき重要な内容とは?

【臨床で役立つ】看護知識!

救急外来での頭部外傷の受け入れや病棟で患者さんが転倒した時など、頭部外傷って様々な場面で出会いますよね。

頭部外傷は観察すべき重要なことがあるんですよね。

ここでは、頭部外傷の患者さんと出会った時に何を観察してどう対応すべきなのか、ポイントを絞って説明していきますね。

なぜ頭を受傷したのかの確認が必要!

頭部外傷で確認すべき重要なことは頭を受傷した原因が内因性なのか外因性なのか

失神を起こして頭を打った内因性の場合などは、失神の原因検索も必要となります。

頭を打った原因はなんなのか、つまづいて転倒した外因性と失神を起こして転倒した内因性とでは検査や治療などの対応が変わってきます

内因性か外因性かについてはこちらにまとめてありますのでご参照下さいね。

頭部外傷のPrimary Survey!

頭部外傷の患者さんと出会ったら『切迫するD』に注意が必要です!

切迫するDとは、脳ヘルニア徴候を疑わせる身体所見のことです!

切迫するD!
  1. GCS合計点8点以下 
  2. 意識レベルが急激に悪化(GCS合計点が2点以上の低下
  3. 脳ヘルニア徴候(瞳孔不同片麻痺クッシング現象

クッシング現象とは、急激に頭蓋内圧が亢進することで高血圧徐脈といった症状が出現するものです!

切迫するDがみられた場合は生命に危険を及ぼす可能性がありA(気道)B(呼吸)C(循環)の安定を図るとともに専門医の介入が必要となります!

頭部外傷のSecondary Survey!

Primary SurveyでABCが安定した場合、Secondary Surveyに進みます!

ABCが安定したらやるべきことがSecondary Surveyになります。

頭部外傷のSecondary Surveyで観察すべきこと!

頭部外傷のSecondary Surveyで観察すべきこと!
  1. 頭痛、視力低下や複視、聴力障害など!
  2. 頭皮や顔面の損傷、陥没や腫脹の有無など!
  3. 外鼻孔や外耳孔口腔内のからの出血の有無など!
  4. 瞳孔径対光反射の有無など!
  5. 頭痛や嘔気、麻痺の有無、神経学的所見など!

続いて頭蓋骨や頭蓋低骨折が疑われる観察すべき重要な所見について記載しておきますね!

頭蓋骨骨折の徴候について!

頭蓋骨骨折の徴候
  1. バトル徴候
    耳の後ろに皮下出血がないか!
  2. パンダの眼
    眼窩周囲に皮下出血がないか!

耳の後ろや眼科周囲に皮下出血がみられた場合は頭蓋骨骨折が疑われます

頭蓋低骨折の徴候について!

頭蓋低骨折の徴候
  1. ダブルリング
    外鼻孔や外耳孔から髄液が漏れ出していないか!

鼻漏や耳漏をガーゼにつけた時に髄液が混じってると二重の輪に見えます。

その二重の輪をダブルリングと言い、頭蓋低骨折が疑われます

頭部外傷は頚髄損傷に注意!

頭部外傷の患者さんと出会ったら頭を支えている首の骨や神経いわゆる頚髄損傷にも注意が必要です。

頭部外傷の場合は、必要に応じて頸椎カラーで頸椎を保護する必要があります。

頸椎や頚髄に異常がないことを確認するまで首を動かさないことが重要です。

頸部痛後頸部の圧痛手足の麻痺やしびれなどを観察していく必要があります。

まとめ!

  1. 頭部外傷の原因が内因性か外因性なのかを確認する!
  2. Primary Surveyでは切迫するDに注意が必要
  3. ABCが安定してからSecondary Surveyへ!

最後に!

ここでは、頭部外傷の重要な観察内容についてまとめました。

頭部外傷において意識消失は内因性の原因となります

意識消失についてはこちらもご参照下さいね。

頭部外傷では気管挿管が必要になることもあります。

気管挿管についてはこちらをご覧下さいね。

最後までお疲れ様でした!

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