【外傷の看護③巻】生命に危険のある外傷の対応!Secondary survey!

【臨床で役立つ】看護知識!

こんにちは。パッチSmileです!

外傷の看護③巻ではセカンダリー・サーベイについて説明していきます。

外傷を受け入れた時にプライマリー・サーベイでABCが安定していればセカンダリー・サーベイに進みます。

ABCが安定していなければ、Primary surveyや救命処置を行って下さいね。

Primary surveyについてはこちらをご参照下さいね。

ここではセカンダリー・サーベイとはどういうことなのか、何をすべきなのかを説明していきますね。

セカンダリー・サーベイとは?

セカンダリー・サーベイとは全身の損傷検索と根本治療の判断をすることです。

セカンダリーサーベイはPrimary surveyでABCの安定を確認した後に行います。

Primary surveyで切迫するDを認めた場合は、切迫するDに対する対応が最優先となります。

セカンダリー・サーベイで行うこと!

救急隊や家族、関係者などから病歴の聴取を行う必要があります。

病歴の聴取には各頭文字をとったAMPLEと呼ばれている聴取すべき内容があるので記載しておきますね。

AMPLE!

A:Allergy
アレルギー歴

M:Medication
服用中の治療薬

P:Past history&Pregnancy
既往歴、妊娠

L:Last meal
最終の食事

E:Events&Environment
受傷機転や受傷現場の状況

セカンダリー・サーベイにおける全身観察!

頭の先から足の爪先まで全ての穴も含め全身に損傷がないか観察を行っていく必要があります。

頭部・顔面の観察!
  1. 頭痛、視力低下や複視、聴力障害、咬合障害など。
  2. 眼や耳、鼻腔や口腔内の損傷。
  3. 耳漏や鼻漏など。
  4. パンダの眼やバトル徴候など。
  5. 陥没骨折や顔面骨骨折、上顎や下顎の骨折など。

パンダの眼やバトル徴候についてはこちらにまとめてありますのでご参照下さいね。

頸部の観察!

頸部を観察する時は、介助者が頭部を正中中間位で保持し愛護的に頸椎カラーを外します。

  1. 疼痛や頸部絞扼感、咽頭違和感、咳嗽や血痰、嗄声など。
  2. 圧痛や皮下気腫、頸動脈・静脈管損傷、食道損傷など。

頸部の観察が終了したら原則として頸椎カラーを装着する必要があります。

続いて胸部の観察について!

胸部の観察!
  1. 呼吸困難や胸背部痛、血痰など。
  2. 創傷や打撲痕、ベルト痕、胸郭変形など。
  3. 皮下気腫や肋骨・胸骨の圧痛や変形など。

緊急性の高い胸部外傷
PATBED2Xの8外傷です!

PATBED2Xの8外傷に注意!
  1. Pulmonary contusion
    肺挫傷
  2. Aortic dis-ruption
    外傷性大動脈損傷
  3. Tracheobronchial tree injury
    気管・気管支損傷
  4. Blunt cardiac injury
    鈍的心損傷
  5. Esophageal rupture
    食道損傷
  6. Diaphragmatic injury
    横隔膜損傷
  7. Hemothorax
    血胸
  8. Pneumothorax
    気胸

続いて腹部の観察です!

腹部の観察!
  1. 疼痛や損傷、打撲痕やベルト痕、腹部膨満など。
  2. 圧痛や反跳痛、筋性防御など。

FASTの所見を医師に確認する必要があります。

続いて骨盤・生殖器・会陰・肛門の観察!

骨盤・生殖器・会陰・肛門の観察!
  1. 打撲痕や皮下出血、
    下肢長差、開放創など。
  2. 疼痛や圧痛、叩打痛など。
  3. 会陰付近の皮下血腫、
    外尿道口出血、腫脹など。
  4. 直腸、肛門からの出血など。

膀胱留置カテーテルを挿入する場合は尿道損傷がないことを確認してからになります。

もう少し。四肢の観察!

四肢の観察!
  1. 変形や腫脹、皮膚の色、打撲痕や擦過傷、開放創、圧痛など。
  2. 末梢動脈の拍動が触知できるか。
  3. 運動麻痺や知覚異常がないか。

あとちょっと。背面の観察!

背面の観察!
  1. 背面全体に損傷や出血など。
  2. 変形や圧痛など。

背面を観察する方法!

  1. ログロール法
    (仰臥位から側臥位)
  2. フラットリフト法
    (仰臥位のまま全身挙上)

患者さんの状態により医師がどちらかを選択します。

ラストスパート。神経系の観察!

神経系の観察!
  1. 意識や瞳孔、四肢の麻痺など神経学的所見に変化がないか。
  2. 頭痛や嘔吐、痙攣などがないか。

セカンダリー・サーベイにおける感染予防の対応!

外傷患者さんは開放創などからの感染予防に努めていく必要があります。

  1. 創処置
    洗浄・デブリードマンの準備
    筋膜を超える開放創の場合
    手術室の準備
  2. 破傷風予防
    破傷風トキソイドの準備
  3. 感染予防
    抗菌薬の準備

まとめ!

  1. セカンダリー・サーベイはABCが安定した後に行う!
  2. セカンダリー・サーベイではAMPLEの確認や全身の観察を行う!
  3. 破傷風トキソイドや抗菌薬の薬剤投与、創処置を行い感染予防に努める!

最後に!

ここでは、セカンダリー・サーベイについて簡潔に説明しました。

観察項目が多くて大変でしたね。最後までお疲れ様でした。

気分転換にぐっすり眠るための3つの条件でもご覧下さい。

ゆっくり休んで下さいね。

パッチSmile!

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