【外傷の看護①巻】外傷の実際と高エネルギー外傷について!

【臨床で役立つ】看護知識!

ここでは医療用語が数多く含まれますがご了承下さい。

これより外傷について①巻から順に、外傷のポイントを易しく解説していきます。

外傷について①巻では、外傷とはどういったことなのか、高エネルギー外傷とはどういうことかを易しく解説していきます。

外傷の実際!

外傷は、外傷後に早い対応と適切な診療を受けることで、生命を救うことができる可能性があります。

防ぎえた外傷死(PTD)と呼ばれる用語がありますが、外傷後に適切な診療を受けられなかったことにより死亡することを意味します。

以前より医療も発展し交通機関も整備され防ぎえた外傷死を防げる時代に変わってきています。

日本では、不慮の事故が死因の第5位前後であり、その内の外傷での4割前後を占めています。この統計は年により変化してますので詳しくは厚生労働省の人口動態統計をご参照下さい。

外傷による死亡には3つのピークがあるといられています。

第1のピークは受傷時の即死。第2のピークは受傷後、数時間以内の大量出血や胸部外傷、頭部外傷などによる死亡。第3のピークは入院後に敗血症や多臓器不全などでの死亡となっています。

この中で、第2のピークが重要となり、受傷後1時間以内がゴールドアワーとされており、全身管理を行いながら、いかに早期に治療できるかが傷病者の予後に係わってきます

  • 重症外傷は早い対応と適切な診療で生命を救うことができる可能性がある!
  • 受傷後1時間がゴールデンアワーとされており生命の予後が決定する!

高エネルギー外傷とは!

  • 高所墜落
  • 自動車事故による同乗者の死亡、車の横転、車から放り出された、車が高度に損傷している
  • 歩行者・自転車が車に衝突された
  • 車に轢かれた
  • 転倒したバイクと運転者の距離が大きい
  • 機械器具に巻き込まれた
  • 体幹部が挟まれた

このような、生命に危険のある外傷を高エネルギー外傷といわれ、この場合、救急車では生命維持に関係のない部位の観察や処置を省略し生命維持に必要な処置のみを行って、直ちに医療機関へ搬送されることとなります。

医療機関では?

医療機関では、高エネルギー外傷や、生命に危険のある外傷の連絡が入ると人員を確保し必要な物品や薬剤などを準備します。

具体的には、リーダーの医師、気道を管理する医師、初期診療を担当する医師、診療介助をする医師、リーダー看護師、診療介助をする看護師など複数の人員で初期対応にあたります。必要に応じて専門医への協力要請がかかります。

医療チームとしては、プレホスピタルに携わる救急隊員や救急救命士、医師や看護師、メディカルスタッフで構成され、情報の共有や処置や検査をチーム全体で連携して対応していきます。

外傷診療では防ぎえた外傷死をいかに回避するかが最大の課題であり、チームで連携し迅速な対応を行い適切な医療を提供することに努めています。

まとめ!

  • 外傷は受傷から1時間以内がゴールデンアワーと呼ばれており生命の予後を決定する!
  • 高エネルギー外傷は生命維持に必要な処置のみが行われ直ちに医療機関へ搬送される!
  • 医療機関では数多くの人員が配置され医療チームとして連携して対応にあたっている!

最後に!

ここでは外傷において概論的なところをポイントを絞って概説していきました。

外傷について②巻では、医療機関で生命に危険のある外傷を受け入れる時のPrimary surveyについて説明しています。こちらもあわせてご参照下さい。

全ての人が事故に合わないよう心から願っております。

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