【心筋梗塞の看護】急性心筋梗塞の症状と対応の仕方!急変時の対応!

【臨床で役立つ】看護知識!

こんにちは。パッチSmileです!

救急外来では胸痛胸部絞扼感を主訴に救急搬送されてくる患者さんって数多くいますよね。

病棟でも突然胸が痛い胸が苦しいって訴える患者さんもいるかと思います。

胸痛や胸部絞扼感、冷汗などの症状がみられた場合、心筋梗塞を疑必要があります。

ここでは、心筋梗塞にはどのような症状がみられるのか。

また心筋梗塞の症状がみられた時はどのように対応すれば良いのか。

そして急性心筋梗塞の場合、薬剤治療もありますが、ここでは緊急カテーテル治療までどのように対応していけば良いのかを説明していきます。

心筋梗塞は急変することがありますので急変時の対応についても説明しますね。

心筋梗塞の症状!

急性心筋梗塞の代表的な症状として、胸痛胸部絞扼感がありますよね。

その他にも様々な症状がみられることがあります。

急性心筋梗塞を示唆する症状についてまとめておきますね。

急性心筋梗塞を示唆する症状!
  1. 胸痛、胸部絞扼感や圧迫感など
  2. 肩や首、腕や顎の不快感など
  3. 背中や肩甲骨の不快感など
  4. 立ちくらみや眩暈、失神や発汗、嘔気や嘔吐など
  5. 突然の息切れや呼吸困難など

これらの症状がみられている場合は、急性心筋梗塞を疑い迅速に対応する必要があります。

大動脈解離などを疑う必要もありますが、ここでは心筋梗塞の症状や対応として説明していきます。

心筋梗塞を疑う症状がみられた時の対応!

急性心筋梗塞を疑う症状がみられた場合は、医師の指示のもと12誘導心電図検査を行います。

12誘導心電図ではST上昇に注意が必要です。

ST上昇は心筋梗塞の代表的な心電図変化であり、迅速な対応が必要となります。

ST上昇型心筋梗塞はSTEMIと呼ばれています。

ここではST上昇型心筋梗塞(STEMI)の対応について説明していきます。

急性心筋梗塞の対応!

12誘導心電図検査を行いST上昇がみられた場合は緊急カテーテル治療が必要となります。

STEMIの場合は急変する可能性があり、モニタリングを行います。

STEMIの場合は直ちに末梢静脈路を確保する必要があります。

99%成功する末梢静脈ルート確保についてはこちらをご覧下さいね。

可能であれば、末梢静脈路の確保と同時に採血を行います。

末梢静脈路は医療機関にもよりますが、ほとんどの場合、左上肢に確保します。

左上肢に確保する理由は、右上肢からカテーテル治療を行うためです。

点滴ラインを作成する時は薬剤が迅速に投与できるように、三方活栓をできる限り静脈側に近い場所に付ける必要があります。

また、カテーテル室で点滴台から患者さんまで点滴ラインの長さが届くように点滴ラインを延長しておく必要があります。

医師が心臓の状態を超音波検査で確認しますので、心エコーの準備が必要です。

必要に応じて胸部X-P撮影を行うことがあります。

医師の指示のもと薬剤を準備します!

医師の指示を確認して抗血小板薬(バイアスピリン)抗凝固薬(ヘパリンNa)などを投与する必要があります。

抗血小板薬や抗凝固薬を服用していたり患者さんの状態によって指示が異なります

薬剤投与の一例!
  1. バイアスピリン2錠を咬み砕いて内服します。(咬み砕けない場合は潰して与薬します)
  2. ヘパリンナトリウム5000単位を静注します。

膀胱留置カテーテルを挿入し鼠径部の剃毛前張りを行います。

右上肢からカテーテル治療が困難な場合など鼠経部から行うこともあります。

患者さんの状態により酸素投与をすることもあります。

AG室へ移動して緊急カテーテル治療となります。

急性心筋梗塞の対応のまとめ!
  1. 心筋梗塞を疑う症状がみられたら12誘導心電図
  2. ST上昇型心筋梗塞の場合は、緊急カテーテル治療の準備!
  3. モニタリングを行い状態観察!
  4. 末梢静脈路の確保採血
  5. 心エコーの準備!
  6. 必要時、酸素投与と胸部X-P!
  7. バイアスピリンやヘパリンなどの指示による薬剤投与
  8. 膀胱留置カテーテルの挿入
  9. 鼠経部の剃毛前張りの実施!
  10. 緊急カテーテル治療へ!

患者さんや家族に治療の説明をしていることを前提として流れを説明しました。

救急外来の場合!
患者さん到着時からバルーン拡張までの目標時間は90分です。

急変時の対応!

急性心筋梗塞は不整脈(VFやVT)、心タンポナーデ、心破裂などを起こすことがあります。

VFや無脈性VTなどの不整脈が起こった場合は直ちに胸骨圧迫を開始する必要があります。

早期に開始する胸骨圧迫の重要性についてはこちらをご覧下さいね。

胸骨圧迫を開始して心肺蘇生法を行うと同時に緊急コールと除細動の準備を依頼します。

除細動の準備ができたら直ちに非同期電気ショックを行います

非同期電気ショックについてこちらをご覧下さいね。

電気ショックで戻らない場合はVFと無脈性VTのアルゴリズムに沿った心肺蘇生を行っていく必要があります。

心肺蘇生法!
VFと無脈性VTのアルゴリズムについてはこちらをご覧下さいね。

アドレナリンやアミオダロンの薬剤準備やPCPS(人工心肺装置)の準備など迅速に行う必要があります。

心タンポナーデ心嚢穿刺を行うことになりますのでアスピレーションキッドなどの準備が必要となります。

心破裂の場合は輸血外科的な対応となります。

まとめ!

  1. 急性心筋梗塞の症状は胸痛や胸部絞扼感以外にも様々な症状がみられます!
  2. 急性心筋梗塞を疑う症状がみられた場合は直ちに12誘導心電図検査を行います!
  3. ST上昇型心筋梗塞の場合は末梢静脈路を確保して緊急カテーテル治療の準備を行います!
  4. モニタリングを行い急変に注意します。
  5. VFや無脈性VTなどの不整脈がみられたら、心肺蘇生を開始して除細動の準備を行います!

最後に!

ここでは急性心筋梗塞(AMI)のST上昇型心筋梗塞(STEMI)の対応について説明しました。

急性心筋梗塞は急変することがあります。

急性心筋梗塞は、心肺蘇生除細動を常に意識して対応することをお勧めします。

急変して心電図波形がAsysPEAになってしまった場合の対応についてはこちらをご覧下さいね。

最後までお疲れ様でした。
パッチSmile!

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