こんにちは。。。パッチSmileです!
患者さんが腹痛を訴えた。
そんな経験ってありますよね。
突然ですが質問でーす!
腹痛がみられた時って、何に注意してどう観察すればいいの?
腹部所見の取り方は?
そんな疑問ってありませんか?
今回はそんな疑問に答えていきますね。
腹痛の観察やアセスメント方法って色々ありますよね。
ここでは腹痛の観察の仕方と注意しなければならない腹膜刺激症状、腹部所見の取り方、緊急性の高い腹部疾患について説明していきます。
この記事を読むと、腹痛を訴えた患者さんの観察方法や腹部所見の取り方、アセスメント能力が高まります。また緊急性の高い腹部疾患についても理解できるようになります。
本記事の内容!
1.腹部の観察は部位を9つに分ける!
2.腹痛を認めた時に考えるべき3つのポイント!
3.腹痛の観察:①圧痛の有無!
4.腹痛の観察:②反跳痛の有無!
5.腹痛の観察:③筋性防御の有無!
6.緊急性の高い腹部疾患!
7.まとめ!
この記事を書いているパッチの看護経歴についてはプロフィールをご参照下さいね。
それでは解説していきますね。
腹部の観察は部位を9つに分ける!
腹痛を訴える患者さん、結構いますよね。
まず、どこの部位に痛みがあるのかを観察します。
方法は、臍を中心とし腹部を9つに部位を分けます。
①右上腹部 ②上腹部中央 ③左上腹部
(右季肋部) (心窩部) (左季肋部)
④右腹部 ⑤腹部中央 ⑥左腹部
(右側腹部) (臍部) (左側腹部)
⑦右下腹部 ⑧下腹部中央 ⑨左下腹部
(右腸骨部) (下腹部) (左腸骨部)
臍を中心に上腹部が痛いのか、下腹部が痛いのかを確認します。
上腹部が痛い場合!
①右上腹部が痛いのか。
③左上腹部が痛いのか。
②上腹部中央が痛いのか。
下腹部が痛い場合!
⑦右下腹部が痛いのか。
⑨左下腹部が痛いのか。
⑧下腹部中央が痛いのか。
中央が痛い場合!
④右腹部が痛いのか。
⑥左腹部が痛いのか。
⑤腹部中央が痛いのか。
この痛い位置に何の臓器があるのかを考えていく必要があります。
例えば、右上腹部が痛いって場合、右上腹部には胆嚢があり、胆石や胆嚢炎などを疑い、所見をとっていく必要があります。
発熱している場合など、胆嚢に炎症があるのかなっていうような考え方をしていきます。
右下腹部には虫垂があり、虫垂炎などを疑った所見をとっていく形になります。
なので、腹部を観察する時は、その痛みがある部位に何の臓器があるのかを意識しながら観察を行うことが重要となります。
腹痛を訴えた時は、腸の病気だけではなく上腹部の場合、いわゆる心窩部になりますので、心臓の病変にも注意が必要です。
また、腹部には腹部大動脈がありますので、腹部大動脈の病変にも注意して観察していく必要があります。
腹痛を認めた時に考える3つのポイント!
腹痛を認めた時!
考えるべき3つのポイント!
①破れた。
②詰まった。
③捻じれた。
この3つは、ポイントとして意識しておく必要があるかと思います。
緊急性が高くなりますからね。
腸の場合に当てはめてみます!
腸が破れる:穿孔など
腸が詰まる:腸閉塞など
腸が捻じれる:腸捻転など
なので痛みを認めたら!
腸が破れたのか?
腸が詰まったのか?
腸が捻じれたのか?
3つのポイントを意識しておくと、観察能力も高まり緊急性も見極められるようになるかと思います。
破れたり、詰まったり、捻じれたりした場合は緊急性が高くなってきますからね。
腹痛がみられた場合、腸以外にも血管の病変などにも注意しないといけないんですよね。
その辺りは、緊急性の高い腹部疾患で説明していきます。
次に、腹痛が見られた場合、腹膜刺激症状に注意した腹部所見の取り方について説明していきますね。
腹痛の観察!
圧痛の有無!
どこの部位でも炎症や何等かの異常がある時に押されたら痛いですよね。
この押された時に痛いのかって所もアセスメントを行う上で重要なポイントとなります。
有名なマックバーニーの圧痛点を教えて下さーい。
マックバーニーの圧痛点は右下腹部(右上前腸骨棘と臍を結ぶ線を3等分し、右から3分の1)に位置する圧痛点のことです。
右下腹部に圧痛を認めた場合、右下腹部には虫垂があるので虫垂炎を疑った所見となります。
次に説明する反跳痛や筋性防御なども併せて観察していく必要があります。
反跳痛の有無!
反跳痛は腹膜刺激症状を示唆します。
腹膜刺激症状は、細菌感染や外傷、出血、消化液の腹腔内漏出などにより、腹膜に刺激が加わることで出現します。
腹膜刺激症状の原因疾患!
1.消化管穿孔!
2.絞扼性イレウス!
3.急性膵炎!
4.急性胆嚢炎!
5.虫垂炎などによる腹膜炎など
腹膜刺激症状!
代表的な腹部所見!
1.反跳痛(ブルンベルグ徴候)!
2.筋性防御(デファンス)!
反跳痛とは、腹部を手のひらで徐々に圧迫し、急に手を離すとはっきりとした痛みを感じる症状をいいます。
なので腹部のどこの部位に反跳痛がみられるのかって所もポイントとなります。
その部位に何の臓器があるのかを考えながら観察していく必要があります。
筋性防御の有無!
筋性防御も腹膜刺激症状の1つとなります。
筋性防御は腹部を手で押すと、力が入ってディフェンスされる反応となります。
手で腹部を軽く圧迫した時に、腹壁が緊張して硬くなっている症状を指します。
病状が悪化すると板状硬といい板のように硬くなることがあります。
板状硬は上部消化管穿孔における典型的な所見となります。
腹膜刺激症状がみられる場合、病状が悪化すると生命に危険が伴います。
緊急性が高くなってきますので検査や処置、点滴や手術など迅速な対応が必要となります。
緊急性の高い腹部疾患!
緊急性の高い腹部疾患を教えて下さーい。。。
腹痛がみられたら腹膜刺激症状以外にも血管などの病変も疑い、バイタルサインや全身状態の観察を行っていく必要があります。
腸だけではなく血管が破れたり、詰まったり。
血管病変なども意識して観察していく必要があります。
上腹部の場合は心臓に近いので心臓病変にも注意が必要となります。
まとめ!
- 腹部の観察!
部位を9つに分けて観察する! - 腹痛を認めたら!
①破れる②詰まる③捻じれるを意識して観察する! - 腹膜刺激症状の観察!
反跳痛や筋性防御に注意して観察する! - 緊急性の高い腹部疾患を意識して観察する!
- 心臓血管病変などにも注意してバイタルサインや全身状態を観察する!
最後に!
ここでは主に腹膜刺激症状の観察について説明してきたことをご理解下さいね。
病状が進行するとショック状態になってしまうこともあります。
ショックの対応についてはこちらからご覧下さいね。
急変の対応についてはこちらからご覧下さいね。
いつもブログを読んでくれてありがとうございます。。。
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