【医師への報告の仕方】SBARをもとに例をあげて徹底解説!

【臨床で役立つ】看護知識!

看護師として働いていると、医師に報告する時って沢山ありますよね。

患者さんに異常がみられた時など、医師に報告しなければなりませんよね。

医師によっては、なんでそんな内容を今電話してくるの?それ後でもよくない?

そんなことって結構ありますよね。

  • 医師に報告する時、何をどのように報告したらいいの?
  • 怒られないように報告するには、どうしたらいいの?
  • 患者さんに異常がみられたけど、今報告するべき?後でいいの?

そんな悩みってありませんか?

そんな悩みを解決させますね。

記事の内容!

  1. 報告する時に参考とするSBARとは?
  2. 報告する時は緊急性を考える!
  3. 緊急性の判断!
  4. 医師への報告の仕方!
  5. 怒られない報告の仕方!
  6. 報告するタイミング!
  7. 医師に報告する前にSBARで整理する!

この記事を読むと、医師へ何をどのように報告したらよいのかを理解することができます。
そして、今報告すべきなのかも踏まえて、医師への報告が少し楽になるかと思います。

この記事を書いているパッチ。
三次救急外来の専属看護師です。
詳しいプロフィールはこちらから。

  1. 病院勤務での看護師1年目は、電話もしたくないくらい医師への報告が苦手でした。
  2. 複数の病院や様々な科を経験し、医師に伝えるべき内容や報告の仕方を色々学びました。
  3. 数多くの患者さんのトリアージも行い、緊急性を踏まえて医師に報告してきました。

そんな経験を元に、医師への報告の仕方をお伝えしていきますね。

医師への報告の手法として有名なSBARがあります。

ちょっとSBARについて説明しておきますね。

報告する時に参考とするSBARとは!

SBARとは!

アメリカの病院で用いられている、看護師の教育方法『SBAR』という手法があります。

状況:Situation
背景:Baclground
アセスメント:Assessment
提案:Recommendeation

これらの頭文字をとってSBARとなります。

日本で取り入れられている病院もあります。

医師へ報告する時は、この手法を利用するとわかりやすいですよ。

簡単にちょっとだけ、例をあげておきますね

のちに詳しく説明していきます。

S:状況:患者さんが多量に下血した。
B:背景:抗凝固薬を服用している。
A:アセスメント:出血性ショックに注意が必要。
R:提案:検査オーダーや輸血、内視鏡などの迅速な介入が必要。

簡単に例を述べましたが、このような流れで医師に報告すると、『それは良くないね、すぐにオーダー入れるね』ってなるかと思います。

次に、もうちょっと詳しく解説していきますね。

報告する時は緊急性を考える!

最初に考えないといけないのが、緊急性なんですよね。

医師も色々と忙しいですよね。

時間に余裕がある時や心の優しい医師は、『うん、うん』って聞いてくれるかもしれませんが、そんなに甘い世界でもありませんよね。

病院では看護師だけでなく、気を張っている医師も結構多いんですよね。

やっぱりミスはできないので、医師も気をつかっています。

緊急性もないのに、電話がくると『えっ、何それ、今?後でよくない!』

ってなってしまうんですよね。

なので緊急性があるのかを、まず考える必要があります。

緊急性の判断!

緊急性の判断っていうのは、正直、アセスメント能力を高めないとちょっと難しいですよね。

ポイントをお伝えしておきますね。

緊急性があるかないかは、直ちに治療が必要なのか時間に余裕があるのかなどを考える必要があります。

ショックバイタルになっていた場合は、もちろん直ちに報告しますよね。

ショックバイタルではない時とか、軽い症状の時はどうしたらいいのってなりますよね。

ようするに、患者さんのS状況B背景からAアセスメントを行い、R提案まで医師に報告することが必要となります。

ちょっと例をあげてみますね。

医師への報告の仕方!

発熱がみられた時の例!

例えば、38度の発熱がみられた。黄色の痰がちょっと増えた。

これだけの情報だと、何の緊急性もないですよね。

発熱だけでなく、その他のバイタルサイン症状背景を観察して、その結果何が考えられるか、そして何が必要なのか

ここが重要なんですよね。

発熱があった時に、呼吸回数が増えているのか、血圧が低下しているのか、意識レベルが低下しているのか、ショック徴候があるのか。

症状も踏まえて観察する必要があります。

ショック徴候の観察についてはこちらから。

感染を疑う発熱については、敗血症に注意しないといけないんですよね。

敗血症の観察については、こちらから。

発熱があった時に、呼吸回数が増えたり、血圧が低下したり、意識が朦朧とした場合。

この場合って、緊急性が高いんですよね。

背景に化学療法をしている場合も、免疫力が低下していますので緊急性が高くなりますよね。

敗血症が進行すると敗血症性ショックになってしまいます。

直ちに、発熱の原因検索や培養検査、抗生剤の早期投与など、早期の治療が重要になってきます。

そこで、発熱と呼吸回数の増加、血圧の低下や意識レベルの低下など拝啓も踏まえて医師へ報告します。

患者さんの状況や背景からアセスメントした時に『やばい、敗血症かも。早期に検査や治療が必要』。

ってことで、医師にSBARに沿って報告します。

S状況:痰の増量や発熱、呼吸回数の増加、血圧の低下など
B背景:化学療法中など
Aアセスメント:敗血症を疑い、ショックに注意など
R提案:点滴や検査の必要性など

すると医師は『ルートとっておいて、検査入れておくね、培養もとろうか』ってなるんですよね。

末梢静脈ルート確保のコツはこちらから。

頻脈や徐脈になった時の例!

頻脈や徐脈にも緊急性ってあるんですよね。

頻脈がみられた時に、他のバイタルサインが崩れていないか

そして症状が何かみられていないか

何でもそうなんですが、1つの異常にとらわれず、他の異常と関連づけて、アセスメントをしていく必要があります。

脈拍数150回以上、急性心不全徴候がみられた場合などは、緊急性が高いので直ちに医師へ報告する必要があります。

医師へ報告の例。
S脈拍が150回、息苦しさがみられている。B突然発症で既往歴もなし。A不安定な頻脈になっていて早期に検査や治療が必要。R心電図検査と薬剤、除細動など準備しておきます』

このような流れで医師へ報告します。

すると医師は『えっ、不整脈、症状でているの、採血と点滴、心電図やX-P検査オーダーいれるね、すぐいくよ』ってなるんですよね。

なのでSBARをもとに、報告すると緊急性があるのかないのかも含めて、整理されて報告できるかと思います。

頻脈の緊急性についてはこちらから。

徐脈の緊急性についてはこちらから。

なので1つの異常だけではなく、他の異常と関連させて観察やアセスメントしていく必要があります。

腹痛がみられた時の例!

入院中の患者さんにしても、急に腹痛がみられた時に、発熱がある場合もちょっと緊急性が高くなりますよね。

バイタルサインも含めて観察していく必要があります。

発熱がなくても、痛みの程度や持続的な痛みか間欠的な痛みか

腹膜刺激症状があるのかないのかなども重要です。

腹膜刺激症状がみられると、緊急性が高くなるので、直ちに報告する必要があります。

腹部の観察はこちらから。

医師に報告するとき、『腹痛があり、反跳痛と筋性防御がみられてますので急性腹症の可能性があります。診察して頂きたいのと、採血や検査、点滴など準備しておくことはありますか?』

ってなれば医師も『えっ、そうなの、ちょっと良くないね、今行くよ』ってなるんですよね。

何が考えられるかって所を観察しながらアセスメントして報告すると、医師からも信頼されるかと思います。

下血がみられた場合の例!

下血がみられた場合、頻脈になったり、血圧が低下した時などは緊急性が高くなりますよね。

抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している場合も、緊急性が高くなります。

患者さんの症状やバイタルサイン、全身状態の観察だけではなく、内服薬などの背景を確認する必要があります。

抗凝固薬を服用している場合などの下血は、早期に治療を開始しないと、出血性ショックになってしまいますよね。

なので症状などの異常が見られた場合、その先に何が起こりうるのかをアセスメントして、医師への報告や継続した観察が必要となります。

『患者さんが、〇時から〇量の下血がみられています、バイタルサインの異常や症状はないんですけど、抗凝固薬服用しています。現時点でショックにはなっていませんが進行するリスクが考えられます。採血や検査など準備しておくことはありますか』

みたいな感じで報告しておくと、『そうね、出血性ショックになると良くないね、ちょっと検査オーダー入れておくね、診にいくよ』

って感じになるかと思います。

下血の観察はこちらから。

怒られない報告の仕方とは!

怒られないように報告するっていうのは、医師に何を求めているのか、結論を先に述べるといいですよ。

疼痛コントロールなどの指示が欲しいのか、直ちに診察をしてもらいたいのか、報告だけなのか。

患者さんに異常がみられた場合、看護師は医師へ報告する義務がありますよね。

電話で連絡するべきなのか、医師が来るまで待てるのか。

緊急性も踏まえて、報告のタイミングを見計らうといいですよ。

医師とのコミュニケーション能力が高い看護師もいますよね。

何気なく報告してサラッと終わってるみたいな。

そのよう時もありますが、能力と信頼が求められるかと思います。

アセスメント能力や判断能力が高いと、医師からも信頼されます。

なので、緊急性を踏まえたアセスメント能力をちょっと高めておくといいですよ。

報告するタイミング!

これまでの流れから、今報告すべきなのか後でいいのか

何となくご理解頂けましたかね。

いつ報告するかについては、緊急性がある場合は直ちに報告、緊急性の判断がつかない時も直ちに報告するといいですよ。

病状が進行してから報告すると何で今頃ってなりますからね。

例えば、患者さんが突然強い腹痛を訴えた。

この場合、消化器疾患だけではなく、大血管疾患も疑わないといけないんですよね。

そのアセスメント能力って経験や知識がないと、疑えないですよね。

なので、緊急性の判断がつかない場合は、他のスタッフと相談して、医師に報告するといいですよ。

医師に報告する前にSBARで整理する!

患者さんの異常を報告する時は、突然発症なのか間欠的なのか持続的なのかバイタルサインに異常はあるのか

全身状態に異常はないのか患者さんの訴える症状は何なのか

患者さんの内服しているもの、既往歴などの背景も把握

総合的に異常を関連させて、何を疑い何を医師に求めるのか

SBARをもとに整理すると、報告しやすいですよ。

そこまでできれば、信頼される看護師になるかと思います。

まとめ!

  1. 医師へ報告する時は、SBARで整理する!
  2. 医師へ報告する時は、緊急性を考える!
  3. 緊急性を踏まえて、報告するタイミングを決める!

パッチからのお知らせ!

ここでは医師への報告の仕方を、SBARをもとに例を含めてお伝えしました。

例は簡単にあげてみました。

文章でお伝えできる範囲内として、説明していることをご了承下さいね。

参考程度になれば幸いです。

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